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曹洞宗とは?教えやお経、浄土真宗との違いを簡単にご紹介

曹洞宗とは?教えやお経、浄土真宗との違いを簡単にご紹介

この記事は2分で読めます

曹洞宗とは?教えやお経、浄土真宗との違いを簡単にご紹介
曹洞宗は、鎌倉時代に中国(当時の宋)から日本に伝わった「禅宗」で、「坐禅」を通じて心の安定や悟りを目指す教えを大切にしています。さらに、全国に多数の寺院と信者を有しています。

この記事では曹洞宗の歴史や教えの特徴を、浄土真宗を含めた他宗との違いを交えながら、わかりやすく解説していきます。

【目次】

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曹洞宗の教えや特徴とは?

曹洞宗の教えや特徴とは?
教え意味・内容
只管打坐「ただひたすらに坐る」こと自体が修行であり悟りであるという考え
修証一如修行と悟りは本来ひとつであるという教え
曹洞宗の基本的な教え


曹洞宗は、坐禅にひたすら打ち込む「只管打坐(しかんたざ)」を説くのが特徴の宗派です。
ここでは、以下3つの観点から曹洞宗について解説します。

・坐禅そのものを目的とするのが曹洞宗の基本
・日常のすべてが修行であり悟りである|曹洞宗の修証一如
・曹洞宗の開祖道元と瑩山

曹洞宗はそのシンプルさから、哲学者の和辻哲郎やAppleの創業者であるスティーブ・ジョブズに影響を与えたと言われています。
世界的な成功者に影響を与えた宗派の教えをチェックしていきましょう。

坐禅そのものを目的とするのが曹洞宗の基本

曹洞宗は、ほかの宗派と違い坐禅そのものを目的とします。
坐禅そのものを目的とするのは、ほかの宗派に見られない考え方で、開祖である道元禅師(どうげんぜんじ)独自のものです。

道元は、坐禅の修行中に悟りを得たというエピソードを持ちます。
800年ほど前に、道元が中国で修行中だったときのことです。

道元の師は、居眠りをしていた僧に対して「参禅はすべからく身身脱落(しんじんだつらく)なるべし」と怒ったときがありました。
身心脱落とは、身も心も忘れ去って取り組むという意味です。

道元は、師の言葉から身心脱落の境地を得て、悟りを開いたとされています。

そのため、曹洞宗は坐禅そのものを重視し、ただ一新に坐る意味の「只管打坐(しかんたざ)」を説いているのです。

日常のすべてが修行であり悟りである|曹洞宗の修証一如

「修証一如(しゅうしょういちにょ)」は、修行と悟りが一体であるとする曹洞宗の教えです。
「修」は修行、「証」は悟りを意味します。
特徴は、坐禅をしている姿が悟りである部分です。

道元は「典座教訓(てんざきょうくん)」と呼ばれる自身の書物で、食事の内容や作法、掃除のやり方まで、日常のあらゆる点の重要性について説いています。

そのため、曹洞宗では坐禅だけではなく、日常のすべてが修行であり悟りであるとも考えられているのです。

曹洞宗の開祖道元と瑩山

曹洞宗の開祖と言われているのは、道元だけではありません。
もう一人の開祖は、道元の弟子の弟子と言われている瑩山紹瑾(けいざんじょうきん)です。

道元の死後、曹洞宗の道場は教えの守り方から対立を繰り返し、分裂の危機に陥ります。
瑩山紹瑾(けいざんじょうきん)は、道元の教えを守りながらも密教の要素を取り入れ、教団の再生を図りました。

そして、総本山の一つである總持寺(そうじじ)や永光寺(ようこうじ)を開き、現在では寺院数約14,000という日本最大寺院数を誇る教団の礎を築いたのです。

曹洞宗と他の宗派との違い

曹洞宗と他の宗派との違い
宗派意味・内容教義の特徴
曹洞宗坐禅(自力修行)坐禅そのものが悟り
臨済宗公案(禅問答)師との問答で悟りに至る
浄土真宗念仏(他力信仰)阿弥陀仏を信じ念仏で救われる
曹洞宗と他宗派との違い




曹洞宗と他の宗派との違いは何でしょうか。今回は臨済宗と浄土真宗との違いを見ていきましょう。

曹洞宗と臨済宗との違い

曹洞宗と臨済宗は共に禅宗ですが、修行方法や悟りの追求方法に違いがあります。

最も違う点は、曹洞宗が無心で座禅を続けるのが基本なのに対して、臨済宗は「公案(こうあん)」と呼ばれる禅問答が重要な修行であるとされている点です。

弟子は師から出される難問に取り組むことで、論理の限界を超えて悟りを開こうとします。

こういった特徴から、曹洞宗は「静」、臨済宗は「動」の修行法と言われたりもします。

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曹洞宗と浄土真宗との違い

次に、曹洞宗と浄土真宗は、仏道へのアプローチが根本的に異なります。

曹洞宗は自力の修行を重視し、座禅によって自分自身の内面と向き合いながら、悟りに到達することを目指します。

対して浄土真宗は阿弥陀仏の力を信じ、南無阿弥陀仏と念仏を唱えることで救われる「他力本願」を重視します。
信者は念仏を通して阿弥陀仏に帰依し、極楽往生を願うのです。

つまり曹洞宗が「自己の修行」を大切にするのに対し、浄土真宗は「信仰」による救いを求めるのが特徴です。

曹洞宗の経典

曹洞宗の経典
道元の有名な書物に「正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)」があります。
「正法眼蔵」は、道元の体験や教えをまとめた95巻にも及ぶ書物です。

「正法眼蔵」は、哲学者の和辻哲郎やAppleの創業者であるスティーブ・ジョブズに影響を与えたと言われています。

シンプルな教えや所作の丁寧さが影響を与えたのでしょう。

「正法眼蔵」には、坐禅の心得や作法が記載されているほか、道元の考えも記載されています。
たとえば、身も心も忘れ去って取り組む「身心脱落」についてや仏同士で通じ合う「唯仏与仏(ゆいぶつよぶつ)」ついても、「正法眼蔵」に記されている教えです。

曹洞宗の葬儀と供養

曹洞宗の葬儀と供養
仏教の葬儀といっても、宗派によって特徴が異なります。ここからは、曹洞宗の葬儀の特徴とマナーについて解説していきます。

曹洞宗の葬儀の特徴と流れ

曹洞宗の葬儀においては、故人が「仏の道」に入るための導きが重視され「成仏」を願う供養が中心となります。そのため、他の宗派と比べると少々異なった形式で行われます。

葬儀の流れは「授戒(じゅかい)」と「引導(いんどう)」を与える儀式から始まり、その後、僧侶が「般若心経」や「十句観音経」などを唱え、回向文と焼香が続きます。

ただし、葬儀の流れは師匠から弟子に受け継がれており、寺院によって順番が違うこともあるようです。

曹洞宗での焼香のやり方

曹洞宗の葬儀では、お焼香を2回行います。1回目は右手でつまんだお香を額の高さまで持ち上げ、2回目は1回目よりも少量のお香をつまんで持ち上げずに香炉に入れます。

葬儀では、僧侶が法話を行うことも多いため、その教えに耳を傾け、心の中で敬意を表しましょう。

曹洞宗の大本山と参拝について

曹洞宗の大本山と参拝について
項目永平寺(えいへいじ)總持寺(そうじじ)
所在地福井県吉田郡永平寺町志比5-15神奈川県横浜市鶴見区鶴見2-1-1
開祖道元禅師(どうげんぜんじ)瑩山禅師(けいざんぜんじ)
創建年1244年(寛元2年)1321年(元亨元年)に石川県能登で創建、1911年に横浜へ移転
役割・位置づけ曹洞宗の発祥寺院。禅修行の中心道場として、僧侶約200名が常住。教団運営の本拠地。全国の僧侶教育・法要・布教活動の中心。
備考「日本曹洞第一道場」として知られる瑩山の教えを広め、曹洞宗の発展を支えた大本山
曹洞宗の大本山



仏教の各宗派のトップにあたる寺院は、通常「総本山(そうほんざん)」と呼ばれる一つの寺院ですが、曹洞宗ではトップにあたる寺院が二つあり、「大本山」と呼ばれています。

ここからは大本山を紹介しながら、参拝する際の注意点やマナーについて解説していきましょう。

曹洞宗の大本山は二つ

曹洞宗には、大本山が2つあります。
一つは、道元が開いた福井県の永平寺です。
永平寺は禅の修行場として開かれ、1372年には「日本曹洞第一道場」として地位を確立しています。

總持寺(そうじじ)は、瑩山が開いたお寺です。
かつては石川県にありましたが、1911年に首都の近くに拠点を移す目的で神奈川県横浜市に移転しました。

どちらも同じ曹洞宗ですが、袈裟の身につけ方などに違いがあります。

これらの寺院は、修行僧の道場として機能し、僧侶の育成や曹洞宗の教えの発信拠点として重要な役割を果たしています。

参拝の注意点や座禅体験の4つのマナー

画像
寺院を参拝するとき、ついつい写真撮影したくなるかもしれませんね。しかし、境内や仏像の写真撮影が制限されている場合があるので注意しましょう。

また曹洞宗では、座禅や写経のほか、宿泊しながら修行僧のような生活が体験できる参篭(さんろう)も可能な寺院もあります。日常から離れて雑念を払い、心を静める良い機会となるでしょう。

ただし、次のマナーと注意点を押さえておきましょう。

服装と持ち物:動きやすく、肌の露出が少ない服装が基本です
時間厳守:修行体験はあらかじめ決められた日程と時間を厳守することが大切です
静粛な態度:雑談や大きな声を避け、心を落ち着けて修行に集中しましょう
姿勢と作法の遵守:特に座禅中は無断で動かず、無心で集中することが求められます

曹洞宗の教えに触れるため、これらのマナーを守って心静かに体験してみましょう。

まとめ

この記事では、曹洞宗について知っておきたい基礎知識を解説してきました。

曹洞宗の教えは、現代のストレス社会においても、自分自身と向き合い、精神的な安らぎを得る道として国内だけでなく、海外の人々からも関心を集めています。

例えば座禅は、物事に対する執着や雑念を手放し、自己の内面と向き合うことで、自分を見つめ直す機会を得られると人気です。

曹洞宗についてもっと知りたいと感じたなら、ぜひ曹洞宗の寺院にも足を運んでみてくださいね。

よくある質問

Q

曹洞宗の基本的な教えは何ですか?

曹洞宗の基本的な教えは「只管打坐」(しかんたざ)と「修証一如」(しゅうしょういちにょ)の二つです。「只管打坐」とは「ただひたすらに座る」ことを意味し、考え事や雑念を取り除いて無心になることを求めます。また「修証一如」は、修行と悟りが一つであるという考え方で、座禅自体が悟りとされています。これらの教えに基づき、曹洞宗の修行者は心の安定と悟りを目指して日々の座禅に取り組んでいます。

Q

曹洞宗と臨済宗の違いは何ですか?

曹洞宗と臨済宗はどちらも禅宗に属しますが、修行方法に違いがあります。曹洞宗は「只管打坐」による静かな座禅を重視し、無心で座り続けることが基本です。一方、臨済宗は「公案」(こうあん)と呼ばれる禅問答を通じて悟りを求め、師から出される難問に向き合いながら論理を超えて悟りに至る方法を重視します。このため、曹洞宗が「静」の修行であるのに対し、臨済宗は「動」の修行と称されることもあります。

Q

曹洞宗と浄土真宗の違いは何ですか?

曹洞宗は座禅によって自らの内面と向き合い、自力で悟りを目指す修行を重視しています。一方、浄土真宗は「他力本願」を基本とし、阿弥陀仏の力に頼り、南無阿弥陀仏と念仏を唱えることで救いを求めます。曹洞宗が「自己の修行」を重んじるのに対し、浄土真宗は阿弥陀仏への信仰と帰依によって極楽往生を願うのが特徴です。このように、仏道へのアプローチが曹洞宗と浄土真宗では根本的に異なります。

Q

曹洞宗の葬儀にはどのような特徴がありますか?

曹洞宗の葬儀は、故人が「仏の道」に入るための導きとして「成仏」を願う供養が中心です。儀式はまず「授戒」と「引導」を行い、その後僧侶が「般若心経」や「十句観音経」を唱え、回向文や焼香が続きます。曹洞宗ではお焼香を2回行い、数珠は略式数珠を使用することが一般的です。さらに、葬儀の流れや儀式の順番は寺院によって異なることもあります。僧侶の法話を通じて教えに耳を傾け、心から敬意を示すことが大切です。

Q

曹洞宗とはどんな宗教ですか?

曹洞宗(そうとうしゅう)は、鎌倉時代に道元禅師が中国の曹洞宗から学び、日本で広めた禅宗の一派です。坐禅を中心とした修行を通して心を静め、「今この瞬間」に生きることを重視する実践的な仏教です。

Q

曹洞宗は南無阿弥陀仏ですか?

いいえ。曹洞宗の本尊は釈迦牟尼仏(お釈迦さま)であり、「南無阿弥陀仏」を唱える浄土宗・浄土真宗とは異なります。念仏ではなく、「只管打坐(しかんたざ)」と呼ばれる坐禅そのものを修行の中心としています。

Q

日本で1番多い宗派は?

日本で信徒数が最も多いのは浄土真宗(本願寺派・大谷派)です。曹洞宗はそれに次ぎ、全国に約14,000の寺院を持つ、日本最大規模の禅宗です。

Q

曹洞宗は般若心経を唱えますか?

はい。曹洞宗では「般若心経」を智慧を育む重要な経典として重んじ、葬儀や法要、日常の読経でも唱えられます。ほかにも「修証義」「十句観音経」なども読まれます。

Q

永平寺は何宗ですか?

永平寺(福井県)は、道元禅師が開いた曹洞宗の大本山です。もう一つの大本山は、瑩山禅師が開いた總持寺(神奈川県横浜市)で、どちらも僧侶の修行道場として曹洞宗の中心的役割を担っています。

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東京、神奈川、埼玉、コムウェルセレモニー全エリアの営業統括責任者。15年以上の経験を活かし、各エリア責任者へご家族の「あふれる想いに寄り添う葬儀」の提供に向けて指揮を執っている。

葬儀業界で豊富な経験を持ち、地域に根ざした丁寧な葬儀サービスを提供。無駄な費用を削減しながら、ご遺族が安心して故人を送り出せるよう、納得の価格と心を込めたサービスを両立している。

葬儀の口コミ監修者:株式会社ディライト 代表取締役 高橋亮
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葬儀の人材派遣と集客支援の最大手、株式会社ディライトの代表取締役。20歳で葬儀の人材派遣スタッフとして働き始め、独立。以降約20年間、葬儀業界の「人の困った」と「集客の困った」を解消し続けている。

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